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2020年12月31日木曜日

川口まどかさん「やさしい悪魔」(漫画)

 

川口まどかさんの漫画は、何度か?紹介してきたと思うのですが、
いろいろ整理していてパラパラと捲りますと、
「あー。”やさしい悪魔”も紹介しておきたいなー♪」と思ってしまったので(笑)、
大晦日に全然関係ないのですが(笑)、紹介をば。

”悪魔”って、人間界のイメージでは、人の心を誑かして破滅へ導いたり、
人間が壊れていく様を見ても眉ひとつ動かさない冷酷無比な存在で、
むしろそれを喜びとするようなイメージだと思うのですが、

「やさしい悪魔」は、タイトル通り、やさしいです(笑)。
まず、人間の願いを叶えるのにお金しか取らない。
命や魂ではなく、お金です(≧▽≦)。

しかも依頼人の支払える金額に応じて、
「この願いに対して、この金額しか払えないのであれば、
依頼人であるあなたには、沢山の労力を使っていただきますし、
危険も多くなりますよ。」
という、とても”やさしい”システムとなっております(≧▽≦)。

”続やさしい悪魔”の一篇にある物語なのですが、

女子校育ちの少女が、離婚や不倫、詐欺やナンパで遊ばれて捨てられたりしないように、
男性を見る目を養いたい!将来の傾向と対策の為に
男性の私生活をテレビを見るように覗きたい!と
やさしい悪魔に依頼します。

支払える金額が少なかったので(笑)、
魔法の指輪を嵌めて、興味の有る男性を思い浮かべると、
その男性の”人面瘡(じんめんそう)”となって、
生活を覗き見ることが出来るようにしてもらうことに(≧▽≦)。

そして一目惚れした男性の肉体に潜込み、人面瘡となって観察しますが、
男性に見つかって捕まってしまいます。

人面瘡の少女から事情を聴いた男性は、
「いろんな人を知らないと失敗してしまう」と言う少女に
「失敗して何が悪い?」と問います。

「なにが成功して保証されるんだ?」と。
その男性はチャラい見た目からは想像も出来ないような、
とても沢山の、過酷な経験をしてきた男性でした。。。

続きは是非、読んでみてください(*´▽`*)。
あ。ホラーですので、一応、死や暴力、血肉もあります(笑)。

あれー???リンクを貼ろうと探してみたら、
「続やさしい悪魔」が3万円くらいばっかりなんですけど?
どゆこと???(@_@)
レアなんでしょうかねー???

「成功」ってなんだ?という記事にも書きましたが、
人間として生まれてきて、
どんな人にとっても”初めての人生”なのに、
一時的な経過を全てのことの様に
「成功」「失敗」と決めつけてレッテルを貼るのは
なんだかとても不思議なシステムだと思います(笑)。

同じように整理していて、10年くらい前の京都新聞の記事かな。
養老孟司さんの「インフル騒ぎ」というコラムに書かれていたのが、

「今の人は死なないつもり。よくそう思う。
なにごとも理性的にきちんと対応する。それで当然だと
信じているらしい。

でも薬に万能薬がないように、生き方にも万能薬はない。
すべてをできるかぎり予測して、それに対応しようとするのが現代人、
つまり文明人だが、それなら自分の背中に自分の命日を
書いて歩いてくれ。そういいたい。

自分の寿命の予測もつかないのに、
あれは体にいい、これは体に悪いと、
よくあれこれいうなあ。
自分の知恵に溺れているんじゃないか。」

自分のちっぽけな知恵に溺れて、成功や失敗を気にしても、
正解や間違いを探しても、あれが良い、これが悪いといっても、
人間は自分の寿命すら知ることは出来ないんですよね。
なんてこったい(≧▽≦)。

ということで?
本年もありがとうございました(≧▽≦)。


2020年10月14日水曜日

読書「夜がはじまるとき」スティーヴン・キング※ネタバレ注意

どこを歩いていても、金木犀が香る時期になりました♪

目には見えなくても、香りで金木犀を発見してしまうので(笑)、「お尻探偵」じゃなくて「お鼻探偵」って感じですね(≧▽≦)。

さて今宵は、秋の夜長の読書タイムにピッタリなタイトルですが、どうにもこうにもスティーヴン・キングですので(笑)、怖いお話が苦手な方は、また次回によろしくお願いいたします(*´▽`*)。

そして今回は衛生面に関しても「ぬぇっ!?(@ ̄□ ̄@;)!!」と思われるかもしれない表現が入りますので、今宵心地よくお休みになりたい方にはおススメ出来ないブログとなっております(≧▽≦)。

また次回によろしくお願いいたします(*´▽`*)。

ということで、ここまで書いても残ってくださった方々は、かなりの強者の皆様ですね(≧▽≦)。

今回の「夜がはじまるとき」は短編集になります。

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どの作品も素晴らしかったのは云うまでもありませんが、
今回、特に”狂気”を感じたのは「N」と「どんづまりの窮地」ですね。
強迫衝動、強迫観念に支配された人たちの内面が事細かに描かれていて、客観的に描かれているからこその「怖さ」が、お見事という他ありません(≧▽≦)。

まぁこういった内容を描こうと思えば、感情移入をしていては不可能ですよね。
「N」は、強迫観念が連鎖していくことの怖さもありましたね。患者さんからお医者さんへの連鎖。

そして「どんづまりの窮地」も、「えええええーーー!どうなるのおおおおお!」というサスペンス的要素も相まって、手に汗握る怖さでした(笑)。

肉体も精神も病に侵された隣人との揉め事から、罠に嵌められ、なんと、工事現場の「簡易トイレ」に閉じ込められるカーティス。株式市場で財を成し、何不自由なく暮らしていた百万長者のカーティスが、使い古されて、いつのものだか判らない排泄物が残されたままの簡易トイレに。
隣人に愛犬を、事故に見せかけて殺されたカーティス自身も精神を病み、強迫観念に縛りつけられていました。

もうなんていうか、二人の狂気が火花を散らして炸裂するって感じで(笑)、簡易トイレの中でのカーティスの恐怖は、キング自身が楽しんで書いたはるのが伝わってくるくらい(笑)、リアルに感じましたね。本当の「どんづまり」。

誰もが身近なものを、「恐怖の題材」として描くキングの真骨頂ですね(*´▽`*)。

他にも「奇跡」が描かれた作品など、今回の短編集も多彩で面白かったです♪
秋の夜長に、キングをどうぞ(*´▽`*)。

2020年8月31日月曜日

読書「ミスター・メルセデス」スティーヴン・キング

 


MERCEDESってドイツの車ですが、なんとなーーーく「MERCEDES」って文字を見ていましたら、「メルシー」「デス」って読めてしまって(笑)、フランス語と英語が混じって「ありがとう死」みたいな(≧▽≦)。

そんな意図は車名にも題名にも全く無いと思いますが(笑)、小説の中身には通じるものがあるかなと。

相変わらずのキング・フリークなのですが(笑)、初期の小説は子供たちが主人公であることが多かったように思うんですね。大人は「恐怖」に対して、見なかったことにしたり無かったことにしたり。蓋をしたり諦めたり言い訳して別の感情に摺り替えたりするのが得意ですが、

子供は「怖い!」とは思うものの、「怖いと思っている自分」をちゃんと認めて、そのうえでどうするか?を決めていると思うんですね。向き合うにしろ、とことん逃げるにしろ。

”摺り替える”ほどの選択肢をまだ知らないからこそ、「恐怖を感じている自分」から成長していく過程を描き、表現しやすかったのかなーと。「摺り替える大人たち」との対比も含めて。

その後も子供がキーパーソンになる小説も多かったのですが、キング自身が成熟していくに連れ、大人たちが中心的人物になる小説も増えていったように思います。

今回の「ミスター・メルセデス」では、定年退職後の刑事さんが中心人物です。

でっぷりとしたお腹はベルトの上に乗っかり、息切れがして苦しくなったり、アメリカの定年刑事さんが描かれる時には定番の、銃口を口の中に入れてみる夜を過ごします。

家族とも、とうの昔に離れ、仕事からも離れた失意のホッジズのところに届いた手紙は、かつてメルセデスで無差別に人々を轢き殺した犯人からでした。

メルセデスは盗難車で、本来の持ち主である女性の取り調べをしていた記憶が甦ります。女性は自ら死を選び、多くのことが謎として残っていました。

女性の遺族に会いに行き、独自に捜査を開始するホッジズは、庭の芝刈りのバイトをしてくれる聡明な黒人青年にも協力を仰ぎ、過去に捕まえることができなかった犯人に近づいていきます。。。。。

こんな感じで物語は始まりますが、今回も後半に出て来る女性の変貌ぶりが、見事に描かれていました(≧▽≦)。

エキセントリックで支配的な母親の元に育ち、神経のあちこちがショートしてしまっているような女性で、既に白髪が交じる年齢なのに、見た目は少女のような雰囲気のままで、時間が止まってしまっているような危うさ。

ホッジズに出会った事と、ある人物の「死」により、最終的には自分を押さえつけてきたもの全てから解放されるカタルシス。

続編がありそうな終わり方でしたので、こんなもんにしときます(≧▽≦)。今作はホラーというよりもサスペンスって感じでしょうかね。

海外の小説も、その国や地域特有の言い回しや比喩表現があったり、その国のその職業の人に特有の言い回しや習慣なんかも、けっこう描かれていることが多いんですよね。

海外小説を読む時には、そういう楽しみも多いですよね(*´▽`*)。

ホラー小説やパンクロックや幼虫や、人様から嫌悪されるものを好きであることが多いのですが(笑)、ホラーって、「恐怖」を「娯楽」にしたって点がすごくないですか?(≧▽≦)。

本来は見たくない・認めたくないものを娯楽にまで昇華するって、やっぱり凄いことだと思うんですよね。登場人物を通して、「あ。私もその恐怖、ある。(@ ̄□ ̄@;)!!」って気付くこともあったり。

ホラーは奥が深ーーーいヾ(@°▽°@)ノ。


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2018年1月16日火曜日

メメントモリ



藤原新也さんの「メメントモリ」は、
私も10代の頃に友達が「この本すごく良いよ」って貸してくれて、
それから自分でも買って、何人かの方に差し上げた本でもあります。

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「人間は、犬に喰らわれるほど自由だ」ですね(*´▽`*)。
ああ。またこんな表現で笑顔の絵文字を使うとサイコパス感が出てしまいますが(笑)「犬に喰らわれること」を「自由だ」と表現したその写真に、お釈迦様が飢えた虎の親子に我が身を投げ出して食べさせたお話が、私の中ではリンクしました。「犠牲になる」とか「与える」とかって事ではなくて、「自分がそうしたかったから、したのだ」という点で。


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2017年12月24日日曜日

読書「アメリカの心」



こんばんは。深海に住むダイオウイカとヒトとの間に生まれた「ヒトヒトさん」です。
皆様よいクリスマスをお過ごしでしょうか?

今年もサンタさんをエンジョイしてきました(*´▽`*)♪
大人になるまで生き延びてきて、本当に良かったなーと思うことの1つですね♪サンタさんを待つ側では無くサンタさんに成れること(≧▽≦)!体力的にはもうヘロヘロなので明日は筋肉痛まちがいなしです(笑)。それでもまたサンタさんをやろうと思えるのは本当に楽しかったからだろうなー♪と思います。なるべく長くサンタさんになれるように体力づくりも頑張ります💦

さて。本日のおすすめ本は「アメリカの心」です。



なんで日本人やのに「アメリカの心」やねんっ(≧▽≦)!とツッコまれるかも知れませんが、個人的には自己啓発書はこの1冊で十分ではないかなー?と思うくらい、沢山の方に差し上げた本です。

自己啓発とは。。。「仕事に関する知識,技能,経験などを他律的な形式に支配されずに自主的に向上,啓発していくこと。潜在的な能力を啓発したり,新たな技能,知識を身につけようとする性質は本来人間にそなわっているものと仮定し,自分から進んでこれを実現しようとするのを援助して,従業員の意欲を高めるとともに仕事の遂行能力を伸ばそうと意図したのが自己啓発の制度である。その方法としては自己研鑽のほか,教育研修や能力開発への参加,参画的経営,自己申告制,職場ぐるみの訓練などがある。」
コトバンクより)

紙の本と図書館が必要だ」などにも書かせていただいているように年齢を重ねてからビジネス書や自己啓発書を読みますと、本の影響を受けすぎて本の受け売りを自分の考えのように勘違いしてしまうので、この本も20代前半で読み漁った本の一冊で、今は手元に残っていない記憶レビューです(*´▽`*)。

アメリカの企業さんの意見広告として新聞に掲載されたものをまとめた本なのですが、1篇が短く簡潔に書かれているので読みやすく、見開き2ページで日本語と英語で記載されているので、多少は英語の勉強にもなるかも?

アメリカらしいアメリカ視点の「人物のチョイス」で簡潔に一生が語られている内容もあり、そこからその人物に興味を持って調べたり本を読んだりもしましたね。リンカーンが小学校中退で、不遇な私生活を送り、何度も落選し、新聞にも国民にも叩かれたけれど、今も世界中の沢山の人を啓発し続けていることや、ホテル王のヒルトンがホテルの掃除係から始めたことなど。沢山のホームランを量産した国民的英雄の野球選手も、三振も量産したこと。年齢を重ねてから偉大なことを成した人。
仕事をしている女性に対して「うちの女の子」と呼ぶのはやめよう。家庭のお母さんの仕事は「ホームメーカー」という仕事。大切な人に手紙を書こう。先見の目を持った人があなたを見つけてくれたように、あなたも誰かの素晴らしい部分を見つけよう。どんな英雄もかつてはどんぐりの背比べの一人だった。失敗を恐れるな、何もせずに人生を終えることこそ恐れるべきだ。

「アメリカ」的な視点なので「フロンティアスピリット・開拓者魂」から勇気を得ることが多かったですかね。その時々で、仕事で「うーん?」と立ち止まるようなことが起きると読み返した本です(*´▽`*)。

先日の紙の方の京都新聞にも載っていた「君たちはどう生きるか」

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漫画になって発売されていて、手にされる方が増えているとか。
私も子供の頃に読んで、考えさせてもらった本であります。
大切なのは、本を読んで鵜呑みにする事でも全肯定する事でも否定する事でもなくて、客観的視点を持って自分ならどうする?と考えて行動することなんかなーと。

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2017年11月4日土曜日

紙の本と図書館が必要だ


紙の本が大好きだという記事を書かせていただいてから
「読書週間」が始まったせいか?
トントンとまた紙の本の話題が目に入ってきたので、期せずして第2弾的に。(///∇//)

先日の紙の方の京都新聞の夕刊に載っていたのですが、全国大学生活協同組合連合会によりますと、一日のうちの読書時間が「0時間」という大学生が5割を上回ったそうです。平均の読書時間でも30分を切ったと。代わってスマホの利用時間は1日2時間半。

大学生に限った現象ではないと思いますが、人類は新しく手に入れたオモチャに夢中になっている段階なのかもしれませんね。日本がバブルの頃、フランス人の知人に「日本人は初めてお金を手に入れた子供のような振る舞いをしている」と言われたのが印象に残っているのですが、ネット環境やSNSもまだまだその段階なのかも。

そしてスマホの修理屋さんに来られるお客様の悲喜こもごもを追うドキュメント72時間がNHKで放送されていたのですが、ほとんどの方が必需品は?と聞かれると「スマホ」と答えていらっしゃる中で、フリーターさんの若い女性だけが必需品は本だと答えたはりました。家庭の事情で学校に行けなかったそうで「しがらみは少なくていい」と。スマホは買ったばかりだと仰っていました。

図書館の本を読んでチャンピオンになった男という記事にも書かせていただきましたが、傷ついた方や子供さんや若い方々にこそ、スマホではなく紙の本が必要なのではないかなーと思いました。

最近の「起業ブーム」とやらで中年になってからビジネス書を読まれる方も多いようですが、年をとってからビジネス書を読むと影響され過ぎるから良くないと養老孟司さんも仰ってて、私もそれは若い頃に肌で感じる事が多かったので20代前半でビジネス書を読み漁って以来、全く読むことは無くなりました。相手と向き合う事もせず、本の受け売りを部下や後輩に押し付けるような人にはなりたくなかったからです。

そんな事も含めて、子供さんや若いうちに沢山の良い本と出合うということは、その方の財産になるのではないかと思うのです。
ユダヤの格言にもありますが「人が生きている限り奪えないものがある。それは知識である。」「本のない家は魂を欠いた体のようなものだ。」「もし生活が貧しくて物を売らなければならないとしたら、まず金、宝石、家、土地を売りなさい。最後まで売ってはいけないのは本である。」と。

そんなこんなを考えていたら
キングコング西野さんが「支援としての絵本」というブログで
「店の利益を全額、難民キャンプや、厳しい環境で暮らす子供達にプレゼントする費用に回す店『ブルーノ』を立ち上げることにした。」
「とにもかくにも『ブルーノ』で販売されている僕のトークショー等の利益は、誰の給料にもならず、全額、海外のチビッコ(ときどき日本の孤児院)の支援に回す。
吉本興業も、たまには良いことをするらしい。」と書かれていました(≧▽≦)。

厳しい環境に育つ子たちは社会人になってからも相談できる人が圧倒的に少ない事が多いのです。でも絵本を読んで楽しさに触れたり、文字を覚えれば本を読む事も出来るようになります。本から知識を得られれば、人と繋がる接点も増える。
たった1冊の本が、とてもとても大きな力になります。
これも京都新聞に書かれていたのですが、ある調査によりますと中学生までにたくさん本を読んでいる子供の方が人生に前向きで社会性も高いと。

本は情報であり知識であり文化でもあると思うのです。

生きたい未来を創る為に」という記事にも書かせていただきましたが
沢山のものごとを置き去りにしてきたのが今の時代だとすれば、それを取り戻すことも必要なのかも知れません。
ひとつひとつ拾い上げて、丁寧にホコリを払って、磨き上げて未来の形に創る。

「広告」の手法は変わっても、良いもの・面白いもの・継ぎたいものを次世代へ伝えていくという人間の営みには変わりがないと思うのです。人間にとって、本当に必要なものに変わりがないように。

デニムなじゅむん




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2017年10月27日金曜日

閲覧注意 読書「ローラ叫んでごらん」


お薦め本というか強烈に印象に残っている本の一冊で
これも10代の頃から何人かの方に差し上げた本です。
手元には今は残っていないので記憶を頼りにしたレビューです。

内容がショッキングでもあるので閲覧注意としました。
虐待に関する内容が含まれています。

出版情報を調べてみますと1973年サイマル出版会発行ですね。
Wikipediaさんによりますとサイマル出版会さんは
1967年に創業されて異文化、言語、文化史、国際理解、
人間などをテーマに、質の高い出版活動をされてきたのですが
1998年に廃業されているそうです。
主要なロングセラーの多くは他の出版社さんから
その後、刊行されているということで
そこからも良い本を作られてきたのだなーと思います。

んー。良い本を作っても「出版界の景気低迷」の波に
飲まれてしまったと書かれているという事は、
やはり「売り方」なんでしょうか。この話はまた別の機会に。

「ローラ叫んでごらん」の副題は
「フライパンで焼かれた少女の物語」です。
アメリカで実際に起きた話で、
文字通り、赤ちゃんだったローラはフライパンで焼かれたのです。
悪魔崇拝者だった両親に。
近年でも悪魔崇拝者の親に
電子レンジで赤ちゃんが焼かれたニュースを見ましたが
その両親自体も虐待されて育っている、
虐待の連鎖の中にいる人達なんですよね。(´・ω・`)

赤ちゃんの異常な泣き声に反応したご近所の方の通報で
奇跡的に助かったローラですが
全身に火傷を負い、火ぶくれで、
確か「葡萄のような状態だった」と表現されていたと思います。

修道女たちが働く施設に保護されたローラは、
そこで忍耐強く愛情深い修道女たちに献身的にお世話をされますが
言葉を発する事はなく、目は斜視で背骨は曲がり
歩く姿にも全く子供らしさはないままに育ちます。

著者であるリチャード・ダンブロジオは
スラムで育った移民の子で、苦学を経た臨床精神医ですが
コーヒーと煙草を手放さない精力的な女性ソーシャルワーカーと出会い
ローラの治療を依頼されます。

最初は渋々と施設を訪ねたリチャードでしたが
修道女たちの子供たちに対する、何の見返りも求めない
献身的な神のような働きぶりに胸を打たれ
ローラの治療を手探りで始めます。

数年後、徐々に言葉を発したり、感情を表し始めるローラ。
両親との再会と決別、自分が経験した事への大きな怒り。

ローラの肉体が精神に与えているダメージの大きさと
施設に居られるのは成人するまでだということを考慮して、
自立することができるようになるには手術が必要だと考えたリチャードが修道女の方々にそのことを伝えると、
修道女の皆さんの奮闘ぶりが、とても印象的でした。
たくさんのお金が必要な手術なのに
すべて無料にしてしまうスゴ技。(≧▽≦)
それも、ものすごく静かに淡々と決意を固めて素早く行動する。
その原動力は何ものでもなく、ただただ神様の代わりに行動するのだという
彼女たちの生き方そのもののように思えました。
褒められる訳でも有名になる訳でもお金をもらう訳でもない。
それでも湧き上がってくる「ただそうしたいのだ絶対に」という強い心を感じました。

そしてひっきりなしに煙草をふかしコーヒーを手離さない闘うソーシャルワーカー。
「悪癖は必要です」と言い切る彼女の働きを誰が真似をできるでしょうか?
彼女もまた、ただただ子供たちを助けるのだという固い決意で
アンテナを張り巡らし一筋の光を見落とすことなく、その光に食らいつき、怯むことなく挑み続ける。
悪癖の向こう側には、人を救わずにはいられない美しい心の女性がいました。

著者でもありローラの治療に挑んだリチャード・ダンブロジオは
その後も子供たちの治療に尽くされているそうです。

本の中で最後にローラがどうなったのか?の記憶もあるのですが
できれば、本を読んで確かめていただければと思います。(*´▽`*)

肉体的にも精神的にも、これほどまでに?と思うほど傷ついた人間も
再生する事が出来るのだという強い確信と、他者の為にただただ自分の人生を全て懸けて
それでも淡々と生きている人々の凄さにとても胸を打たれた本です。


私の記憶レビューなので、本の内容と相違もあるかもしれませんが
ご容赦くださいませ。

マリアビートルの巾着(赤)大




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2017年10月20日金曜日

図書館の本を読んでチャンピオンになった男


昨日の「紙の本が大好きだ」に書かせていただいたようなことが
今日の紙の方の京都新聞・夕刊に載っていたので
shareしたいと思います。(*´▽`*)

10月12日に世界ボクシング機構(WBO)
アジア・パシフィック・バンタム級王者になった
勅使河原弘晶選手は複雑な家庭環境から逃げるように
中学2年から非行に走り、少年院に2度入った。
退院直前の19歳の時、図書館で輪島功一さんの自伝
炎の世界チャンピオン」に出会い、
貧困の中、25歳のプロデビューから世界チャンピオンになる物語に
「過去を変えることはできない。
ただ不器用でも努力はできる」と勇気が湧いたと。

輪島功一さんが1988年にジムを創設されてから
30年目で初めての王者だそうです。

たった1冊の本で、人生が変わる。
一人の人間の人生が変わることで
周りで関わる人の人生も変わる。
本には、そんな大きな力が宿っています。

「本が売れなくなるから」という理由で
図書館で文庫本を貸し出ししないようにという
訴えがあるそうですが

少年院の図書館でしか本を読めなかった男の子が
ボクシングの王者になりました。

この新聞記事を読んで、
輪島功一さんの自伝を読みたいと思う人が
いるかもしれません。

「本が売れない理由」が、やっぱりなんか
ズレているように思うんですよね。(´・ω・`)

良い本・面白い本を熱意をもって宣伝すれば
ちゃんと売れるのではないかなー?と。
図書館のせいとか出版不況?のせいとかじゃなくて。

図書館でしか本を読めない人たちも
沢山いたはると思います。
そして、そんな方々にこそ、「本」が必要だと思うのです。

阪神淡路大震災の時
アートや音楽が、たくさんの人を励ましたように。

古代柄のシュシュC



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2017年10月19日木曜日

紙の本が大好きだ


紙の本が大好きです。
本屋さんが大好きです。
「文字」というものが読めるようになって以来、
子供の頃や若い頃は特に、
どれほど「本」というものに救われてきたことでしょう。

紙とインクで作られた、お金と同じような匂いがする
ただの読み物なのに。

たった1冊の本にも、一瞬で世界を広げる力や
人を救う力が宿っているって
すごいことだと思うのです。

出版不況と言われて久しいということを見聞きしますが、
私も昔に比べて本を買う量が減りました。
読む本が無くなれば、百科事典や辞書まで読み耽っていたのに。

お店を始めてしまったので
作業に時間を充てるようになったことも大きいと思いますが
本屋さんへ行ってパラパラと本を捲ってから買うタイプなのに
「読みたい!」と思う本が減ってしまったのです。

ピース又吉さんが「火花」を読んだ読者さんから、
「難しい」という感想を寄せられたと仰っていました。
難しい本を辞書を引きながら、ルビを振ったり書き込みしたり
気に入ったフレーズには線を引いたりという読み方は
もう今はあまりされないのでしょうか?
そういうことをしてしまうと
古本としても売れないからでしょうか?

この漢字はこう書くのかーとか
この言葉にはそういう意味があったのかーとか
今ならスマホひとつで本も読めて辞書も引けるのに?(´・ω・`)

キングコング西野さんが「紙の本の希望」というブログで
「本の価値が移動し(『読み物』と『コミュニケーションツール』
という2つの価値の"比率"が変動し)売り方や売り場が変わっただけで、
これは出版不況でも何でもない」と書かれていました。

「売り方」も確かにそうだと思うのですが
「本の作り方」も変わったように思うのです。
(売り方の範疇に入るのかもしれませんが)

一介の昆虫の赤ちゃんに過ぎない私にまで
詐欺じゃない方の出版のお話が来たので不思議に思い、
リアルでいろいろと聞いてみますと「出版セミナー」なるものがあり
それを受講して企画書を書くと、
出版コンサルさんが出版社へ営業に行くというシステムまであって、
ある程度ブログやSNSで発信している実績があれば
「著者本人が宣伝して売ってくれる」
「返本は著者が引き取ってくれる」ということで
割と簡単に出版できる時代なのだと説明されました。(´・ω・`)

出版社さんの企業体力が無いのか
楽しようとされているのかは分かりませんが

「良い本・面白い本を作って読んでもらおう」
では無いんですよね。(´・ω・`)

なんか売れること・売ることを優先したが為に
売れなくなってるような?(´・ω・`)
それを「本末転倒」と呼ぶのではなかったかな?

「誰でも」「簡単に」「時短で」が流行りの時代なので
そういった内容の本が増えることは理解できるのですが
そういうのばっかりになってしまって
本が好きな人達まで本から離れてしまっているのではないかなー?
と思ってしまったのです。(´・ω・`)

それでもやっぱり紙の本が大好きで
本屋さんも大好きで。
それならば昔の本でも絶版本でも好きだった本を紹介することで
古本屋さんでの出逢いを増やせないかなー?と思いました。

大好きな本は、この方に読んでもらったら良いのではないかなー?
と思うと差し上げて、
また自分は新たに買うということを繰り返しているうちに絶版になり
手元に残っていないという本も多いですが
記憶を頼りに、必要な人に届けば良いなと思います。(*´▽`*)

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2016年9月27日火曜日

ミニマリストにはなれない。


9月に入ってから、
今年も海外での販売会のお誘いをいただきましたが、

最初で最後の着物リメイク・オーダーを
まだ抱えているので(;´∀`)
来年春の、販売会の準備をするのは難しく。。。

毎年、なんだかんだと時間が無くて
スルーしてしまっているのですが、
いろんな国で、
日本の作品を紹介しようとしてくださる方がいて
嬉しい限りです。(*´▽`*)

DIY系のサイトさんからのスカウトメールも沢山来てて
またそんなにDIYサイトが起ちあがってるの?って
ビックリするのですが(*_*)

もうイッパイイッパイです~(;´∀`)
そんなに情報ばっかり要らないなーとか思ったり。
ネットよりも現実を楽しみたいなーと思ったり。

ネットの薄っぺらい情報を見るより
やっぱり私は本を読んでいる方が楽しい♪

で、溜まりすぎた本を断捨離中です。


刺繍通信は大好きな本ですが、
もういいかな?っていう何冊かは処分。

中村文則さんの「土の中の子供」も
何度も読み返した本ですが、そろそろお別れかな。

中村文則さんの作品も大好きで、何冊も読んでいます。
「暗い」とか「病んでる」という人もいますが、
純文学って、そもそも今時の小説のように軽くないし、
中村文則さんの小説は、
人間再生が描かれている作品だと思います。

「掏摸(スリ)」も「遮光」も
どん底から、光を見出す作品だと思いましたよ。

大好きな桃井かおりさんも、
中村文則さんの「火」を映画化されてて、
やっぱり大好きな人達は繋がるんやなぁと思いました(≧▽≦)


ことわざ辞典も面白かったですが、サヨナラです。

えええええ!?そんなことわざがっ???(@ ̄□ ̄@;)!!
って感じのことわざも多くて
大人向けのセクシーことわざ?も面白かったです(笑)


「のぼうの城」は、野村萬斎さんが好きで
映画を観てから読んだのですが、面白かったです♪

頼りないけど、民への愛情だけはたっぷりとある成田長親と
そんな長親を愛する家老や領民たち。

士気の高さは、戦にも仕事にも大きな影響を与えますが、
それには忠義と信頼が必要なので、
優れているとか優れていないとかじゃなくて、
人間的な魅力のある人が、大きな力を発揮するのだなぁと
思いました。

こういったベストセラーは、また読みたくなったら買えるので
サヨナラできるのですが、
海外の作家さんの本や、古本市で買った本、
もともと発行部数の少ない本は
もう二度と出逢えないかも知れないので、
処分が出来ないですね(;´∀`)

ミニマリストが話題のようですが、
本の背表紙がズラリと並んでいる姿も好きな私は、
ミニマリストにはなれそうにありません(笑)

ある程度、風通しが良いように
ものの管理に振り回されないように
減らしていますが、
やっぱり、好きなものには囲まれていたいですね(*´▽`*)


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クレヨンしんちゃんのことわざ辞典を発見。(≧▽≦)

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本屋さんじゃないですけど。(≧▽≦)
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2012年8月15日水曜日

読書「虐殺器官」※ネタバレ注意

 終戦記念日なのに
不謹慎な題名の本だと思われるかも知れないけど
れっきとした戦争を扱った小説。
 
最近「ミレニアム(ドラゴン・タトゥーの女シリーズ)」とか
若くして亡くなられた作家さんの本が続いてる。
「虐殺器官」を書かれた伊藤計劃さんも
2009年に34歳で亡くなられている。
どちらの作家さんも
その ものすごい才能ゆえに
早く召されたのが納得できるくらいの
ストーリーや描写力 
そして知識や見識の広さ深さを感じる作家さん。
 
「虐殺器官」は近未来の戦争や内戦が主な舞台だけど
単なるSFでは無く
哲学書を読んでいるような気分になるくらい
深く考えさせられ
漠然と感じていたこと 受け入れてしまってたことを
改めて目の前に突きつけられ
「さぁ 考えろ」と言われてるような。。。
 
久しぶりに付箋だらけになった本。
気になる部分 引っかかる部分に付箋を貼って
何度も読み直す。
 
ストーリーは。。。
”テロとの闘い”で人間ひとりひとりを徹底的に管理する先進諸国。
その一方で 後進諸国では内戦や大量虐殺が急激に増加。
米軍大尉クラヴィス・シェパードはその混乱の際に
常に存在を囁かれる謎の男 ジョン・ポールを追う。。。
 
一気にネタバレですが
ジョン・ポールが内戦や虐殺を引き起こす方法は
”言葉”
虐殺には独特の匂いがあり
それを孕む場所を嗅ぎつけ
そしてジョン・ポールが見つけ出した
文法と言葉で
火を点ける。。。
 
ジョン・ポール自身が愛人との逢瀬の間に
妻と子を亡くしていること
クラヴィス自身も 植物状態の母の延命措置を
停止させたことへの答えを
まだ見つけ出せずに
戦場で死体を見る度に
地獄と母を見ること。
 
それぞれが 自身の罪と罰に苦しみ
同じ女性を愛することで
更に複雑に 思いが交錯する。。。。
 
 
 
 
暑さで思考停止していた脳に
ガツンと喝を入れられた感じ。
虐殺の描写はエグいほど良い。
戦争を美化しないから。
 
ヒトラーを選んだのが民衆であるように
現在の日本の政治家たちを選んだのも民衆。
原発に見て見ぬ振りをして
仕方ないと放置してきたのも民衆。
 
罪も罰も 総ての民衆に平等にある。
 
事が起きてから
急に正義を振りかざして 声を上げる人には
胡散臭さを感じる。
 
”テロは宗教の問題”だと
アメリカ側が発信しているニュースを
鵜呑みにできる人たちは 単純に信じてるけど
 
実は こんな風に
誰かが テロや戦争を引き起こしているのでは
ないだろうか?
 
武器を生産し 輸出している国など
戦争が無くなれば 仕事が無くなる。
そんな国の言うことを
何故 疑うこともなく 鵜呑みに出来るのか?
考えることを止め 思考停止しているから?
 
日々 選択し 答えを出して生きているのだと
改めて感じさせてくれた一冊。
それならば やっぱり
いちいち 引っかかってやろう。
考えることを 止めたら終わり。
それは 逃げることや加担することと
何も変わりは無いということ。

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